治療概要&副作用

●治療概要

精巣腫瘍摘出後、CTおよびPET/CTを受ける。

PETにより、転移の疑いが出るが、血液マーカーや病理的には低リスクという事もあり、当時の主治医やお伺いの立て先ははっきりしない態度をとる。

京都府立にセカンドオピニオンの形で紹介状を書いてもらい診断をもらった結果、腫瘍は小さいものの、BEP療法3クールが適切との事。

B:ブレオマイシン

E:エトポシド

P:シスプラチン

1クール21日間、最初の5日でE及びPの投与を行い、1日目、8日目、15日目でBを投与。15日目前後から副作用による白血球(血小板も)の減少が始まるため、21日目まで回復を待って次のクールに移る、というのが基本スケジュール。スケジュールを崩したり、白血球が低いから、というので投与を見合わせると、癌細胞に抵抗力をつけさせる為、よろしくない様子。

俺の場合は2クール終了時点でCTを撮り、経過判断。3クールの評価は、3クール終了1か月後のPET/CTで実施。日をおかずにやった場合、偽陽性、偽陰性というような事象がみられるからの様子。PETの結果で陽性であれば追加、あるいは薬を変えて(VIP?)の化学療法(2クール程度)、陰性で残存腫瘍があれば手術、腫瘍が消失していれば経過観察、というのがスタンダードの様子。実際には、消失はあんまりないらしいが。

腫瘍が大きくないので、手術は、開腹にするか先進医療で後ろからやるかの選択がある様子。リンパ廓清をやる/やらないの選択もあるが、これが何のためでどの程度の効果の者なのか、誰も具体的に説明してくれないんだよな。

というのが、3クール終了、評価のPET/CTを受ける前につかんでいる全体の流れ。

●体験した副作用

E・PとBで違うようだが、以下のようなものを体験した。

・発熱

5日間の連続投与中は通常36度程度の体温が37度近くになることが多かった。ちなみに、3クール終了から10日以上経った今も、体温は高めのことが多い。

それと、B投与の日は37度を超える。1クールなんかは、好中球がほぼゼロの状態で投与した結果、39度近くまで熱が上がった。この日は感染症によるものか、副作用かがわからず、Bの副作用としては強すぎる、なんて言われてかなり怖い思いをした。

・火照り

病院では珍しいと言われたが、5日の投与後、クールの2w目くらいまで、顔と手足の火照りに悩まされた。頭がぼーっとして、手もやたら熱いので気持ち悪かった。

・味覚異常

最初は、水に苦みを感じるようになり、常に口が悪い状態が続く。衝撃だったのは、2クール終盤で親子丼を食べたとき、甘みをまったく感じられなくなっていた事。基本的に塩味系のものが食べたいことが多く、甘いものも、強い甘さのものをほしくなる傾向があった。親子丼事件の後から、せっせと亜鉛の入った医療食材を食べたりして回復に努めたが、さて、今治ってるのかどうかもよく解らない。未だに、リンゴと梨を食べると、胃から苦いのが上がってきて気持ち悪くなる(入院中もそうだったかも)

・胃の不調

1クールの2日目くらいで、すでに米が食べづらくなり、2クールのあたりはずーっと胃が詰まったような状態になった。味覚異常と合わせて、なんだかよくわからない状態に。抗がん剤投与中は多少症状が軽減される程度であったが、プリンペランという薬と、ガスター20を処方してもらい、なんとか耐えた。3クール終了後10日経った今も薬は飲み続けており、なおかつ食べ過ぎたりすると胃が詰まった感覚が残る。ほかの人は割とすぐ回復するらしいが、俺はまだだなあ。

・脱毛

これは皆さん経験される様子。俺の場合はクール終了のあたりに来たなあ。そして、最初に来たのは下の毛だった。白血球(好中球)が下がりすぎて風呂に入れず、タオルで体を拭いたらたくさん抜けて行った。ほどなく、頭を洗った後のタオルにびっしり毛がつくように。俺はこの2か所に加えて、脛がかなり抜けただけで、眉毛、まつ毛、脇、お腹あたりはほとんど抜けなかったなあ。ちなみに、3クールの分が、退院後5日くらいで脱毛したりして、まだ追っかけられてる感じがした。

・しびれ

クール初日に、手に若干しびれを感じるのと、俺の場合は右の太もも外側がずーっとしびれたり、痛かったりする。これはいまだに続いているが、ジムでキープランジをやって追い込んだ時に、同じように右太もも外側がこの感覚になる。元々肉体的に弱い個所で、そこに出ているのかもしれない。

・皮膚がぼろぼろ…

入浴後、タオルで強くこすると、皮膚が細かくはげてくる状態になった。アカスリの時のような感じ。アカではないと思うんだけど…。

・むくみ

抗がん剤投与中、特にクール頭の5日はむくんでる感じ。利尿剤は入ってるんだけどね。そして、退院後10日目の今頃、手のむくみが強くなっている。文字を書こうとすると、握れなくて書きづらいほど。ほかの人もなっている様子。

・血小板の減少

クールの2w終わりくらいから、血小板の下がりが顕著になる。人によって程度が異なるが、俺の場合は極端に下がる体質で、1クールは下がりすぎて輸血、3クールもあと一歩のところまで行った。これが下がると何が面倒かというと、白血球(好中球)の上がりの先行指標になる為、上昇カーブが出てこない限りは白血球の自然回復はないようで、また、白血球をあげるグランという注射も打てない。あとは、下がりすぎると血が止まらなくなるので、入浴を禁じられたり、色々行動に制約がかかる。行動制約の目安は3万、輸血の目安は2万。ちなみに、納豆がいいらしいんだが、血小板が下がっているときは白血球も下がっており、白血球が低いときはナマモノや発酵食品の摂取が制限され、にっちもさっちも行かない状況に追い込まれる。大丈夫だった2クールは、大丈夫な間に必死に納豆食ったもんなあ。

・白血球(好中球)

好中球、というやつの数を指標にしていたが、俺はこれが元々低いうえに、早い時期に、とてつもなく低くなる体質で、大変苦労した。クールのうち、2w目くらいまではPの熱とかの副作用が残り、2wの後半くらいから白血球が下がり、ほぼ3クールの終わりまで下がったまま、という状態で結局何もできなかったり。これが下がると、感染のリスクが高まるのと、感染を防ぐ一貫でナマモノや発酵食品の摂取を止められたりする。風呂好きの俺としては、下がってもシャワーだけはガンガン浴びてたんだけど、冬場の入院だったら風邪とか危なかった気がするな。

・ヘモグロビン

これは、上記のもののようにクールの中で回転するのではなく、クールを追うごとに下がっていく。3クールの途中あたりから貧血状態になることが多くなって、退院後も立ちくらみに結構苦しんだ。クールが長い人はどう対応してるんだろう。下がりすぎたら輸血なんだけど、そのはるか手前で立ちくらみを起こしてたからなあ。

・口内炎、口の荒れ

胃と白血球に連動しているはずだが、クールの2w目くらいから、口の中にできものができはじめる。俺の場合は下のサイドやかみ合わせの部分が痛くなることが多かった。ただ、毎日4回くらいうがいをしていたからか、比較的軽かったほうじゃないのかなあ。口内炎らしい口内炎は、3クールにでかけたんだが、薬をもらってなんとか抑えた。

・デキモノ?

3クール、手にできものというか、硬い部分ができて、今は皮が向けた状態。このまま収まってくれればいいけど、魚の目とかになったら嫌だなあ。

というようなのが副作用の数々。未だに続いているのは、胃の不調、発熱(微妙やけど)、立ちくらみ、デキモノ、しびれ、むくみ、という辺り。あ、脱毛も最近までか。いろいろあるなあ。

blanco460 について

35歳で精巣腫瘍にかかりました。これから入院ですが、日々の記録をしていきたいと思います。
カテゴリー: Uncategorized パーマリンク

コメントを残す